東京オリンピックマーチの冒頭をアナライズしてみた

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冒頭のコンデンススコアです。

曲の構成は、序奏→主部→中間部→中間部の展開、拡大(終結部)、となっています。

 

 

序奏部です。

変イ長調(As-dur)の和音A♭(I)で華やかに始まります。

3小節目にE♭(V)となり

4小節目(主部の直前)でE♭(V)→E♭7(V7)→E♭9(V9)と展開され、

5小節目(主部)でA♭(I)に戻ります。

やけに近い音をぶつけてくるなと思っていたら、I→V→V7→V9→Iというスマートな流れになっていました。

作曲家ってほんとうにすごいなと思わされます。

 

高校最後の定期演奏会でオープニング曲として演奏した思い出の曲です。

作曲したのは、朝の連続テレビ小説として取り上げられたりしてご存じ、古関裕而氏です。

(私事ですが)弟の高校校歌も同氏による作曲だったのですが、もっぱら「六甲おろし」書いた人と聞いていました。

私はフルート奏者として乗ったのですが、終結部だけ異常に音符が細かくて、泣かされました笑(そして頭の音符だけ吹くという残念なことに泣)

しかし!

曲自体はとても印象的で、演奏会から約10年を経た今も鼻歌になって出てきます(ただの懐古主義かもしれませんが)。

ゴールデンウィークに暇を持て余したので、スコアを入手し、当時は”絶対に”しなかった曲のアナライズに挑戦しました。

マーチのなので拍子は当然2/4(¢)かと思いきや、4/4でした!

あんなに何度も吹いて練習してたのに、当時は何も感じませんでした!!!

アルセナール(ヤン・バンデル=ロースト)やオリンピック・ファンファーレとテーマ(ジョン・ウィリアムズ)などと同じコンサートマーチ形式だったんですね。

勇ましい、というより上品なものに仕上げたかったのかもしれません。

 

「オリンピック・マーチ/スポーツショー行進曲」 古関裕而 2016 全音楽譜出版社