村野・森建築事務所(大阪、阿倍野)
村野・森建築事務所(大阪、阿倍野)
「角地のギャラリー兼住宅」の参考になる建築はないかと調べていたら、大阪は阿倍野の村野・森建築事務所に行きついた。
大阪の建築巡りは何度か行ったが、いつも梅田から回るから、難波あたりで力尽きてしまう。
Google mapに登録までしてるのに、阿倍野までたどり着いたことがない。
よって写真が一枚もない。
CiNiiやJ-Stageで調べてもヒットしないし、書籍も、短いコメントが載っている2冊しか見つけられなかった。
ネットではブログがいくつかヒットしたのは幸いだった。
第一印象は“地味”である。
暗い灰色の箱。
しかし、じっくり観察するとおもしろい。
村野作品のこれまでの要素がちりばめられている。
まず屋根である。
箱がいくつか重なった全体像だが、箱のもつ屋根の形が異なる。
北面の小さな屋根は常陸宮邸(東京都渋谷区)の掃き出し窓と似ている。
つづいて、北面2回のゴンドラ状のバルコニー。
都ホテル 京都八条など、多くの作品で見られる。
はたまた、東面の”でっぱり”。
まったく意味はないが、遊び心。
浪花組本社ビルほどではないけど、表情をつけるのに“でっぱり”は必須。
さいごに、この建築の特徴は外壁の仕上げである。
表面がボツボツと凹凸のある、粗いタイルと、同じく目地。
中世ヨーロッパの城か、要塞のような雰囲気を漂わせている。
参考文献
京都・大阪・神戸[名建築]ガイドマップ